【今話題の植物性ミルクを深堀!】牛乳との違いは?豆乳、アーモンド、ライス、ココナッツミルクのメリット・デメリットについて

本記事について

記事の内容 

  • 牛乳の栄養素について
  • 植物性ミルクってなに?
  • 植物性ミルクの栄養素の比較!

記事の信頼性

筆者はアメリカに在住している再生医療研究者です(医学博士取得済み)。

日本では医師として一般内科の診療も行っていました。

科学論文を一通り読みこなせるバックグラウンドがあり、医師・研究者の立場からエビデンスに極力基づいて記事を作成しています。

読者さんへの前置きメッセージ 


アメリカの意識の高い方々の集まるオーガニックスーパーでは、植物性ミルクが大人気です!しかし、この圧倒的品揃え、、いったいどれを選んだら良いのか、、正直牛乳との違いや、植物性ミルクのそれぞれの特徴が良くわかりません!!

そこで今回は、植物性ミルクの中でも人気のこの4種類のミルクについて深掘っていきたいと思います!!

・豆乳

・アーモンドミルク

・ライスミルク

・ココナッツミルク

牛乳と植物性ミルクを比較した、まとめ論文(Vanga SK, et al. 2018)が見つかったので、この文献を元に説明していきます!

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牛乳について 

キングオブ栄養素「牛乳」

植物性ミルクの説明の前に一つ確認しておきたいのは、牛乳は生まれたばかりの子牛が育っていくために必要な栄養素が全て含まれている「キングオブ栄養素」だと言う事です!実際に、ケニアの遊牧民マサイ族の主食は牛乳とヨーグルトで、合わせて1日に2−3L摂り、それ以外はほとんど摂っていないそう。それで成人の栄養素をまかなっている訳だから、牛乳ってすごいんだって事が分かると思います。

カロリーあたりのカルシウム量も多く、免疫物質のIgA(病原体やウィルスの感染を防ぐ役目)なども含まれるため、成長期の子供など、牛乳には大きなメリットがあります。

植物性ミルクってなに?

植物性ミルクがどんどん人気になっているのはなぜ?

牛乳がそんなにいいなら、なぜ植物性ミルクが求められるのでしょう?植物性ミルクは、元々は牛乳アレルギーや乳糖不耐症などの牛乳が飲めない子どもに、牛乳の代わりとして作られました。

しかし、近年では本来の目的から離れて、牛乳に含まれるコレステロールの存在が気になる人や、菜食主義、環境への関心などの要因により代替品として植物性のミルクが人気になりました。
メモ:牛乳アレルギーと乳糖不耐症について
牛乳アレルギーは乳幼児の間で最も広く普及しているアレルギーの一つ(Vanga et al. 2015)です。最新の報告によると、乳児の2.2~3.5%が牛乳にアレルギーを持っていますが、これらの乳児の約35%が5~6歳までに牛乳に対するアレルギー性を脱却し、さらに16歳になるまでに80%まで脱却できる可能性があることが示されています。
乳糖不耐症(牛乳を飲むとお腹がゆるくなってしまう人)は、消化管内にラクターゼという酵素が存在しないか欠損していることが原因で、成人の15〜75%に広く認められます。

植物性ミルクの種類 

豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、カシューミルク、ココナッツミルクなどがあります。その他にも、ヘンプ、ヘーゼルナッツ、マカデミアナッツ、亜麻、オート麦など、様々な原料が使用されていますが、これらの流通量は比較的少ないようです。

今日の記事ではこのうち

・豆乳

・アーモンドミルク

・ライスミルク

・ココナッツミルク

について説明していきます!

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植物性ミルクの成分比較! 

注:市販品に含まれる各種成分の比較。Vanga SK(2018)を改編して掲載.

豆乳  

豆乳は栄養学的には糖質・タンパク質・脂質がバランスよく含まれています。
その栄養価の高さとバランスの良さから、40年以上にわたって牛乳の代替品として使用されてきました。
豆乳で重要な成分はイソフラボン!
イソフラボンは女性ホルモンに似た働きで肌を綺麗にしてくれたり、抗ガン作用や骨粗鬆症の予防にも効果があることが知られています。
豆乳はタンパク質が豊富に含まれるので、ビーガンをやっている人には貴重なタンパク源となります!

アーモンドミルク

アーモンドミルクは、アーモンドを水に浸して粉砕してろ過して出てくる、乳白色の液体です。
栄養学的には糖質やタンパク質が低めです。
アーモンドミルクは、カロリーが低いことと一価不飽和脂肪酸(MUFA)や抗酸化ビタミンが含まれていることです。一価不飽和脂肪酸(MUFA)や抗酸化ビタミンは、動脈効果を予防する効果があったり、がん・老化・免疫機能を改善してくれます。
ところで本来アーモンドにはそれほどカルシウムは含まれていませんが、製品としてのアーモンドミルクにはカルシウムがある程度含まれています。これは牛乳のカルシウム量に近づけるために加工後に添加しているためです。

ライスミルク

ライスミルクは、玄米(一般的には精米されたもの)と水を混ぜて作ることができる穀物ミルクの一種です。

アレルゲンが限りなく少ないので、乳製品や大豆にアレルギーを持つ人たちの牛乳や豆乳の代替品として利用されています

3大栄養素のバランスは、糖質が多くタンパク質と脂肪はわずかしか含まれていません。成分調整されていない場合は、カルシウムやビタミンB12などのミネラルやビタミンも不足しています。このため、単純に牛乳の代わりとして用いることは難しいです。

ココナッツミルク

すりおろしたココナッツから抽出した液体で、飽和脂肪酸が豊富に含まれており、アジアや南米の一部で広く消費されています。
栄養学的には糖質、タンパク質が低く脂質が多いです。
ココナッツの脂肪にはラウリン酸が含まれており、このラウリン酸は血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を低下させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の上昇に役立つことが知られています。
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まとめ

植物性ミルクと一括りに言っても、原料によって栄養もメリットも全然違います。牛乳は子供にとっては理想の栄養源で日々の食事の栄養バランスの偏りを補ってくれます。それは大人にとっても同じことですが、コレステロールやカロリーが気になる人は、上の表を参考に一部を置き換えるというがおすすめです。また、アレルギーなどの事情で牛乳が飲めない場合は豆乳を試してみるのがオススメです。

<まとめ>

・牛乳はキングオブ栄養素!日々の栄養バランスの偏りを補ってくれる。

・豆乳は栄養バランスも良くイソフラボンも入っている!アレルギーがあるなら良い代わりになるし、牛乳のコレステロールやカロリーが気になるなら検討してみよう!

アーモンドミルクはカロリーが低く、一価不飽和脂肪酸(MUFA)や抗酸化ビタミンが含まれている!でもタンパク質が少ないので、食事で補おう!

・ライスミルクはアレルゲンが少ないのでアレルギーを持つ人には安心。でもほぼ糖質がメインで、栄養バランスの偏りが大きいために注意が必要。

ココナッツミルクは糖質、タンパク質が低く脂質が多め。この脂質にはコレステロールにいい効果がある。

参考文献

Vanga SK, Raghavan V. How well do plant based alternatives fare nutritionally compared to cow's milk? J Food Sci Technol. 2018 Jan;55(1):10-20.

出来たての豆乳はうまい【豆乳くらぶ】

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