
ビール=太るというイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、ビールのカロリーや適量について、またビールとの付き合い方について書いていきたいと思います。
目次
本記事について
記事の内容
- ビールそのものではそんなに太りません。
- ビールのカロリーは糖質の含有量で決まります!
- ビールの適量は摂取するアルコールの量の点から500ml缶1本程度!
- プリン体の対策として、ビールと同量の水分を取ることが大事!
記事の信頼性
筆者はアメリカに在住している再生医療研究者です(医学博士取得済み)。
日本では医師として一般内科の診療も行っていました。
科学論文を一通り読みこなせるバックグラウンドがあり、医師・研究者の立場からエビデンスに極力基づいて記事を作成しています。
読者さんへの前置きメッセージ
「ビールが好き」そしてこれからもたくさん飲んでいきたいと思っています。ビールを深く知ることによって、より長くいい関係でビールと付き合っていくためにこの記事を作成しようと思いました。
ビールに含まれる驚きの成分「キサントフモール」
実はビールの中のホップに含まれるキサントフモールという物質が脂質の合成量を減らす(=脂肪酸合成酵素遺伝子の活性化を抑える)ということが分かっています。
実際にキサントフモールと高脂肪食を一緒に食べたマウスが「痩せた」という結果が出ています。
Miyata S, et al. J Biol Chem. 2015 Aug 14;290(33):20565-79.
キサントフモールはすでに痩せるサプリとして抽出され販売されています。
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ビールって太るの?注目すべきはカロリーより糖質の含有量!
アルコールのカロリーは主には熱として代謝される
ビールの中に含まれるアルコールは1gで7kcalになりますが、このカロリーは主に熱として代謝されるために脂肪としてはあまり蓄積されません。もちろんアルコール量が多ければ、脂肪となることもあります。
糖質の含有量をチェック!
太るという点においては、注目すべきはビールの中に糖質がどの程度含まれるかです。
糖質は1gで4kcalですが、アルコール代謝のために糖代謝が下がるために、糖質は通常よりも脂肪として蓄積しやすくなります。
注意すべきは、ビールと一緒に食べるご飯やおつまみですね。お酒を飲んでいるとついつい、食べすぎて糖質や脂質の多いものを食べすぎてしまいます。もちろん、大量にビールを飲む人は、糖質とアルコールの取りすぎになる可能性があるので、注意が必要です。
ビールの適量は500ml缶1本程度!
ビールの「適量」を考える場合、アルコール摂取量の適量の点から考えます。
厚生労働省の示す指標では、節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度の飲酒とされています。また女性や高齢者、飲酒後にフラッシング(真っ赤になる)反応を起こす人は、これより飲酒量を少なくすべきです。


ビールと仲良く付き合う方法
ビールと同じ量のお水を飲もう!
喉が渇いた時に飲むビールは美味しいですが、そんな時は少し注意が必要です!
アルコールには利尿作用があるので、血液中から水分が少なくなり脱水状態へ傾いてしまいます。脱水状態になると、血流が少なくなりうまく代謝が回らず、アルコール分解に影響を与えたり、尿路結石や痛風の原因にもなってしまいます。逆に言うと、水分をたくさんとって血流が改善すると、肝臓への血流量が増えて代謝を促してくれたり、痛風などの原因のプリン体をおしっこで体外へ排出したり、血液中の濃度を薄めてくれます。
さらに水分摂取は副次的に満腹感を感じたり、喉の乾いた感覚も抑えてくれるので、アルコール摂取量を控えてくれるメリットもあります。
アルコールの影響を少なくするためにも、ビールと同じ量の水を飲むことが大事です!


まとめ
ビールには痩せる成分「キサントフモール」が含まれている。
お酒で太るのを気にするなら注目すべきは糖質の含有量!
ビールの適量はアルコール量から500ml缶1本程度!
プリン体による痛風を防ぐ方法として、ビールと同量の水分を取ることが大事(努力目標)!

