【徹底解説!】フィッシュオイルの効果とオススメのとりかた!

「フィッシュオイルって何?」「フィッシュオイルって効果あるの?」「フィッシュオイルってどうやって摂ったらいいの?」

こういったフィッシュオイルに関するいろいろな疑問に答えていきたいと思います!

本記事の内容について

記事の内容

  • フィッシュオイルとは何か?
  • フィッシュオイルの成分、オメガ 3 系多価不飽和脂肪酸の働きと効果!
  • フィッシュオイル摂取のポイント!

記事の信頼性

筆者はアメリカに在住している再生医療研究者です(医学博士取得済み)。日本では医師として一般内科の診療も行っていました。科学論文を一通り読みこなせるバックグラウンドがあり、医師・研究者の立場からエビデンスに極力基づいて記事を作成しています。

読者さんへの前置きメッセージ

アメリカでは医療費がものすごく高いので、人々の「病気予防」や「健康」への自己管理の意識がとても高い事を感じます。その影響で市販されているサプリメントは多岐に渡り、ドラックストアやスーパーでは大量のサプリメントを目にします。

今回は、アメリカではメジャーでサプリコーナーで山積みになっている「フィッシュオイル」について、成分や働きについて解説します。

フィッシュオイルって何?

フィッシュオイルに注目が集まったワケ

そもそもなんでフィッシュオイルに注目が集まったかというと、
「欧米人は心筋梗塞や動脈硬化が多いのに日本や地中海諸国では少ない。。なんで??」
から始まった研究で、日本食や地中海食に多く含まれる 不飽和脂肪酸に注目が集まりました 。
さらに後の研究で、魚に蓄えられていた EPA や DHA などのオメガ 3 系多価不飽和脂肪酸が重要であることが突き止められました。

オメガ3系多価不飽和脂肪酸とは?

オメガ3系多価不飽和脂肪酸というのは、よく「体に良い」とされている脂肪酸です。
脂肪酸にも色々ありますが、大きく「飽和」と「不飽和」に分けられます。
このうち、不飽和脂肪酸の中にオメガ3系があります(下の図をご覧ください。)
オメガ3系多価不飽和脂肪酸には以下のようなものがあります。
  • α-リノレン酸(ALA; 18:3 ω-3)
  • ステアリドン酸(SDA; 18:4 ω-3)
  • エイコサペンタエン酸(EPA; 20:5 ω-3)
  • ドコサペンタエン酸(DPA; 22:5 ω-3)
  • ドコサヘキサエン酸(DHA; 22:6 ω-3)

オメガ3系多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれます。
必須というのは「摂取することが必須」という意味で、体内では合成できないので食物からとる必要があるという意味です。α-リノレン酸(ALA)を元にして、他のオメガ3系多価不飽和脂肪酸は体内で合成することも出来ます。
近年ではオメガ3系多価不飽和脂肪酸の中でもドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)が様々な病気の予防や改善を促してくれる研究結果が出ています
DHAとEPAが予防や改善に効果があるとされる疾患

うつ病

皮膚の炎症性疾患

自己免疫疾患

メタボリックシンドローム

心血管疾患

脳卒中

関節リウマチ など

でも、厳密に言うと、メタボリックシンドロームや心血管疾患、脳卒中などの場合、健康な人がその発症を予防できる(1次予防という)エビデンス(証拠)は実はまだ確立はしていません。しかしすでに1回これらの病気にかかっている人が再び発症する、あるいは重症化するのを予防する(2次予防という)効果はあることがわかっています。

オメガ3系多価不飽和脂肪酸の働き

簡単にいうと、これらのオメガ 3 系多価不飽和脂肪酸は2つの役割をしています。
1つは体の中の炎症を鎮めてくれる効果、もう一つは細胞の膜に取り込まれてその膜を安定化させる(落ち着かせてくれる)効果です。

体の中の炎症を鎮めてくれる効果!

よくオメガ 3 系多価不飽和脂肪酸と比較される、サラダ油や大豆油などに含まれるオメガ6系多価不飽和脂肪酸。
このオメガ6系多価不飽和脂肪酸は、炎症を起こす物質を作る元になることが知られています。
炎症を起こした状態というのは、いたる所で火事が起こっている状態です。
火事が起これば腫れたり、痛みが出たり、鎮火した後もキズ跡となって脆くなったりします。
オメガ3系はこの6系の炎症物質の産生を抑えてくれます。
さらに最近では、EPAやDHAが代謝されると、炎症を抑えてくれる物質に変わることが発見されました。
そんなこんなで、生活の中ではオメガ 3 系を多めに取ることが健康に良いとされています。

細胞の膜に取り込まれてその膜を安定化させる効果!

脂肪酸というのは実は体を構成している「細胞」の膜の大事な成分です。この成分にオメガ 3 系多価不飽和脂肪酸が取り込まれることによって、炎症を起こしにくい、安定した膜が出来ます。
その結果として例えば、心臓の脈をつかさどる細胞が安定すれば心臓の不整脈が少なくなったりする効果が言われています。さらには神経細胞の膜も安定化させてくれるから、子供の目や脳の発達に良い効果が期待できるとされています。

フィッシュオイル摂取のポイント

摂取の方法と目安

主にイワシ、アジ、マグロなどの青魚から取ることができます。

ほとんどの医療機関では、3 系多価不飽和脂肪酸の2つの脂肪酸であるEPAとDHAを合わせて、1日あたり少なくとも250〜500mgの摂取を推奨しています。

フィッシュオイルは酸化しやすいので、調理法により容易に変化してしまいます。

魚を毎日食べたり魚が大好きな人は、不足を心配する事はないですが、魚が嫌い、あまり食べないという人には、手軽に取れるサプリメントがおすすめです。

もう少し深掘り!
DHAやEPAはα-リノレン酸をもとに体の中でも合成できるなら、α-リノレン酸たっぷりの亜麻仁(あまに)油とか蓖麻子(ひまし)油だけとっていれば良い??

蓖麻子(ひまし)油はスプーン1さじで7000mgのα-リノレン酸が摂れるとされているけど、代謝されて出来るEPAやDHAは、せいぜい摂取した量の4%程度、報告によっては0.2%とも言われています。さきほど述べたように、EPAやDHAが重要で、これらを十分にとることを考えると、EPAやDHAとしてとったほうが効率がいいと思います。

サプリメントなんかは効率が良いです。

だけど、ビーガンをしている人は動物由来のこのような油を避けたいと思うだろうから、海藻などや植物由来のサプリで補給することを検討してもいいかもしれません。

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デメリットはある?

デメリットについてあまり詳しく述べられた論文は少ないです。
だけど、一般的にフィッシュオイルといってもオイルだし、とてもたくさん摂り過ぎればデメリットはあります。
英語だけど、デメリットについて説明しているサイトがあったので一応添付しておきます。
このサイトによると、過剰に摂取することにより血糖値の上昇、低血圧、逆流性食道炎、出血(脳出血)、低血圧、不眠症、ビタミンA過剰症などが報告されています。
中毒量などは特に決まっていませんが、フィッシュオイルのサプリメントとして1日あたり5,000mgまでは安全にとれるという報告もあります。
もちろん何か悪い症状が出た場合は、摂取量を減らすか、代わりに食品から摂取するようにしたほうがいいです。

まとめ

・フィッシュオイルに含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸、特にその中のEPAやDHAは炎症を抑えてくれたり細胞の膜を安定させてくれる。その結果、様々な病気の発症や進行を抑えてくれたり、神経発達に好影響がある。

・蓖麻子油などでα-リノレン酸を摂る方法もあるが、EPAやDHAが体内で合成される量はわずかなので食物(魚)あるいはサプリなどでダイレクトに摂るほうが効率がいい。

自分のライフスタイルに合わせて、意識して魚を食べたり、不足している栄養があれば補っていくっていうのが大事ですね。

参考文献

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